原発性胆汁性肝硬変




原発性胆汁性肝硬変 (PBC) 診断基準

(厚生省「難治性の肝炎」調査研究班 1992)

PBC:primary biliaiy cirrhosisは,中年以後の女性に好発し,皮膚掻痒感で初発することが多い。黄疸は出現後消退することなく漸増することが多く,門脈圧亢進症状が高頻度に出現する。なお,皮膚掻痒感,黄疸など肝障害に基づく自覚症状を欠く場合があり,無症候性 (asymptomatic) PBCとよび,無症候性のまま数年以上経過する場合がある。

1.検査所見
黄疸の有無にかかわらず,血沈の促進,血清中の胆道系酵素 (ALPなど),総コレステロール,IgMの上昇を認める。抗ミトコンドリア抗体(AMA) または抗pyruvate dehydrogenase (PDH) 抗体が高頻度に陽性で,高力価を示す。

2. 組織学的所見
肝組織では中等大小葉間胆管ないし隔壁胆管に慢性非化膿性破壊性胆管炎 (chronic non-suppurative destructive cholangitis:CNSDC) あるいは胆管消失を認める。連続切片による検索で診断率は向上する。

3. 合併症
高脂血症が持続する場合に皮膚黄色腫を伴う。 症候群・慢性関節リウマチ・慢性甲状腺炎などの自己免疫性疾患を合併することがある。

4. 鑑別
慢性薬剤起因性肝内胆汁うっ滞・肝内型原発性硬化性胆管炎・成人性肝内胆管減少症など。


診断

つぎのいずれか1つに該当するものをPBCと診断する。
  1. 組織学的にCNSDCを認め,検査所見がPBCとして矛盾しないもの。AMAまたは抗PDH抗体が陰性例もまれに存在する。
  2. AMAまたはPDH抗体が陽性で,組織学的にはCNSDCの所見を認めないが,PBCに矛盾しない(compatible)組織像を示すもの。
  3. 組織学的検索の機会はないが,AMAまたはPDH抗体が陽性で,しかも臨床像および経過からPBCと考えられるもの。

Scheuer分類


I期 florid duct lesion主として門脈域の中等大胆管の破壊が特徴であり、胆管の周囲にはリンパ球、時に形質細胞、組織球の浸潤が見られる(CNSDC)。
II期 ductual proliferation正常胆管は減少し、細胆管の増生が始まる。piecemeal necrosisもしばしばみられる。
III期 scarring炎症反応は鎮静化し、種々の程度の線維化がみられる。
IV期 cirrhosis小葉構造は破壊され、肝硬変像が特徴である。