ARDS





ALIとARDSの定義

(アメリカ-欧州合意カンファレンスによる定義,1994)
[the American-European Consensus Conference on ARDS, Am J Respir Crit Care Med 149:818,1994]

 ALI(acute lung injury)は肺の炎症と透過性亢進を示す症候群で、臨床的・放射線学的そして生理学的異常を示し、これらは左房圧もしくは肺毛細管圧の上昇に起因しない(併存してもよい)。敗血症症候群、誤嚥・肺炎、もしくは多発性外傷にしばしば合併する。まれに心肺バイパス手術、頻回の補液、脂肪塞栓、膵炎などに合併する。

ALIとARDSは急性発症で数日から数週間継続し、一つ以上の危険因子を合併し、治療抵抗性の低酸素血症を示し、びまん性の浸潤影を伴う。間質性肺線維症、サルコイドーシスなどの慢性肺疾患、他の基準が合致しても経過の合致しない疾患はこの定義から除外する。
ARDSと同一の疾患概念で低酸素血症の軽いもの(PaO2/FiO2≦200で分ける)をALIとしている。

ARDSの診断基準

(Petty et al, 1982)

1.臨床所見
 1)急性発症
 2)頻呼吸・努力性呼吸
 3)チアノーゼ
 4)低血圧(収縮期血圧<90mmHg
 5)体温の異常(>39℃ 36℃<)
 6)Coarse Crackle
 7)心不全徴候なし

2.背景疾患の存在

3.胸部X腺写真(両側肺野に存在)
 すりガラス様陰影、Air bronchogramを伴う肺胞充実影

4.機能検査
 1)PaO2 ≦50 Torr (FiO2≧60%)
 2)肺コンプライアンス低下(<50ml/cmH2O)
 3)シャント率、死腔換気量の上昇

5.病理所見  1)肺重量の増大(>1000g)
 2)肺胞および間質水腫
 3)うっ血
 4)肺胞内の硝子膜形成
 5)胞隔の線維化