鎮痛剤による癌疼痛治療

1982 癌の痛みの治療指針 提案
1986 小冊子「癌の痛みからの解放」
1989 癌末期医療に関するケアのマニュアル」(厚生省と日本医師会)


WHOの3段階除痛ラダー
1:NSAIDs
2:弱オピオイド(+NSAIDs)リン酸コデインなど。
3:強オピオイド(モルヒネ、フェンタニルなど)

WHOがまとめた基本5原則

・by mouth
・by the ladder
・for the individual
・by the clock
・attention to detail


基本薬のリスト(1996年改訂)
基本薬代替薬
非オピオイド鎮痛薬アスピリン
アセトアミノフェン
イブプロフェン(ブルフェン)
インドメタシン(インダシン)
ジフルニサル(ドロピッド)
ナプロキセン(ナイキサン)
ジクロフェナク(ボルタレン)
軽度から中等度の痛みに用いる
オピオイド受容体(弱オピオイド)
コデイン(リン酸コデイン末)ジヒドロコデイン
アヘン末
トラマドール(クリスピンコーワ注)
中等度から強度の痛みに用いる
オピオイド受容体(強オピオイド)
モルヒネ(塩酸モルヒネ注・錠,
MSコンチン、アンペック坐薬)
オキシコドン(パビナール注)
ペチジン
ブプレノルフィン(レペタン)


モルヒネ製剤
塩酸モルヒネ:速効性。服用後30分で血中濃度最高。一日量を6分割し4時間おきに使用。
MSコンチン錠:徐放剤。12時間おきに内服。10mg/30mg/60mgの3種類。
服用前に噛んだり割ったり水に溶かすと徐放性がなくなる。
この場合服用量が3倍になり危険。
アンペック坐薬:経口投与と投与量は同じ。鎮痛作用は8時間以上持続。

経口モルヒネ薬を基準とした効力比
・直腸内モルヒネ 1:1
・注射剤  1:2-3
・硬膜外  1:10-20(15)  

皮下注は一カ所からの薬物吸収は20ml/day(200mg)が限度。

・投与量:24時間後に効果・副作用を評価し
  副作用がなく痛みが残っていれば投与量を50%増量
  痛みが消え・眠気が強ければ50%減量

推奨したい標準投与開始量は一日量として30-60mgである。一日量が30mg以下のモルヒネには臨床的な有用性がほとんどない。
第一回投与による鎮痛効果を観察すべきであるがそれが可能でないとしても投与開始の翌日には鎮痛効果と副作用を判定する。投与開始量で痛みが消える患者は少ないからである。
投与量の決定は原則的に塩酸モルヒネによって行い、至適投与量が得られた場合徐放剤へ変更するべきである。投与開始時よりMSコンチン錠を使用することはあまり奨められない。

・リン酸コデ液は力価が1/6 変更する場合は用量1/6へ。

退薬症状:身体依存はモルヒネを3-4週間以上続けた患者のモルヒネを突然中止するときに見られる。
悪心・嘔吐・あくび・発汗・下痢などの身体症状


鎮痛補助薬:
ステロイドホルモン:
 癌が進行すると腫瘍の増大と共に周辺組織に炎症による浮腫が見られるようになる。この浮腫を伴った腫瘍が神経を圧迫するようになる。この浮腫の軽減にはステロイドが奏功する。

抗うつ薬・抗けいれん薬・抗不整脈薬:
 神経に浸潤した場合、鋭い痛み・電撃痛・灼熱感、服がすれる程度のわずかな刺激で痛みを感じるようになる。これを神経障害性の痛みというが、オピオイド鎮痛薬はこれには効きにくい。

電撃痛・鋭く痛む・刺すように痛むなどの発作性の痛みには抗けいれん薬が有効
しびれて痛む・焼けるような痛み・突っ張って痛いなどの持続性の痛みには抗うつ薬が有効。

神経障害性の痛み治療に使用する主な鎮痛補助薬と投与開始量
鎮痛補助薬推奨される投与開始量
アミトリプチン
イミプラミン
ノルトリプチン
10mg vdS(p.o)
10mg vdS(p.o)
10mg vdS(p.o)
リドカイン30mg/hrの持続静脈内注入
メキシレチン
フレカイニド
5-100mgの8-12時間ごと(p.o)
100mg、omni12hr (p.o)
塩酸ケタミン
デキストロメトルファン
0.05-0.15mg/kg/hr 持続皮下静注
5-10mg t.i.d(p.o)
バルプロ酸ナトリウム
カルバマゼピン
クロナゼパム
パクロフェン
100mg p.o. omni 12hr
100mg p.o. omni 12hr
0.5mg p.o. omni 12/or24hr
5-10mg p.o. omni 12/or24hr
リンデロン/ベタメタゾン2-6mg/dayあるいは100mg以上/day


 強い骨転移痛にはモルヒネに非オピオイドないしNSAIDsを併用するように奨められている。腫瘍細胞によって産生されたプロスタグランジンが骨転移巣に高濃度で存在するためである。