Hank Mobley考



「和食を代表する料理を一品だけ」と言われると、君は何を挙げる?

懐石料理か、肉じゃがとかか?刺身か寿司か?、親子丼か?
 
Jazzで同じ事を考えてみる。
おそらく、『懐石料理』はマイルスだ。
最高の素材、テクニック。妥協無い挑戦。どこに出しても恥ずかしくない。

しかし、果たして、和食の「代表」とは、懐石なのだろうか。


 

 確かに和食の最高峰は懐石料理であったり、寿司だったりするわけだが、日本を想起させる料理の代表というと、案外、肉じゃがのような家庭料理じゃないかと思うわけである。

 そしてHank Mobleyはまさに肉じゃがだと思うのである。

 ほっこり、ふっくら。


Jazz「らしさ」



 そりゃ、Hank Mobley個人に「Jazz musician代表」としての荷を背負わすのは酷というものだ。所詮彼は「B級ハードバッパー」に過ぎない。だが、Jazzを知らない人に一品「これがJazzです」と薦めるとしたらHank Mobleyの入っているBlueNote4000番台あたりが一番妥当な気がしないか。

 Jazzのすべてを一枚で伝えることなんて出来やしないが、Hank MobleyにはJazzのエッセンスがふんだんに詰まっている。

 Hank Mobleyのレコード(何でもよいが4031"Soul Station"あたりにしようか。) をターンテーブルにかけ、目を閉じる。レコードのパチ、パチという無音部を経て、初めて聴いてもなぜか懐かしいサウンドが流れ出す。
 哀愁あるBlueNote Melodyとざらついたピアノの音色、我々をここちよく緊張させるレガート。薄暗い店内、と押し殺した話し声、焦げ臭いコーヒーの香りが漂ってくるではありませんか。
 

 多くの日本人Jazz愛好家にとっての「想い出の昭和30’s」にどっぷり浸っているのもMobleyの愛される由縁だろう。
"fifties"でも"sixties"でもない、『昭和』、の30年代だ。

このあたり、ロリンズやミルトジャクソンは損をしていた。「余生」を汚さないのも一つの手段かも知れない。
 
ちなみに、ラーメン、はなんだろうか。 フランク・シナトラかな。