問い:小節数が半端な曲のコピーはどういう風に書いたらいいんでしょうか?


結構微妙な問題です。
前述の私の「コピーの際の小節は4つ割にせよ」というアドバイスを受けての質問と思われます。
・半端っぷりにもよるし、
・楽譜を書く対象にもより、
最終的にはケースバイケースに判断せざるを得ません。


例えばAlone togetherという曲があります。
AABA'の単純な進行なんですが、Aが少し変わっていて10小節なんです。A(10)、A(10)、B(8)、A'(8)と、4ずつ割ればちょっと「字余り」になります。
アドリブソロのコピーを採譜する場合、この中途半端な部分をどうするか?

 僕は10小節を4−4−2と3段目の半分書いたところでその先は空白のまま次は下の段に書いてしまいます。

もちろん、これは正確な採譜方法の観点から見ると間違っています。だが、コードの流れは実際ここである種の断絶を示しているのでここで切り上げるのはそれほど間違っているとは思えません。また、そのあとコーラスの頭が中途半端なところにある弊害の方が大きいと僕は考えます。ぱっと見たときに流れがつかみにくくなるからです。

(もっとも、この曲の場合AAで丁度20小節なのでここで4の倍数にもどるので、続けて書いてもあまり弊害は生じません。
しかし、いつも運がいいとは限りません。Like a Loverという曲があります。AABA進行なのですが、A(14)A(14)B(13)A(14)という譜割りとなっています。この場合はどうでしょう?)

 例えば、ちょっとしたアレンジで32小節の曲のコーラスの末尾に1小節もしくは2小節のfill-inを加える場合があります。このとき、一コーラスは33(or34)小節になります。
 この場合の記譜は先程と同様にその場所で意識の断裂があってしかるべきなので、僕は1小節(もしくは2小節)書いたあと、段を切り上げてしまいます。もしくはちょっと詰めて書いて一段に6小節書いてしまいます。

アドリブ譜の場合、最も重視されるべきなのは演者の「意識」です。
文法など大した問題ではありません。


しかし、いわゆる「テーマ譜」を書くときは別で、これはいわゆる楽典上のルールを厳密に守った方がいいと思います。
 人に見せる譜面ですから。

 いわゆるJazz standardは1コーラスの小節数は4の倍数であることがほとんどです。
 基本的に、Jazzの楽曲構造は同じコード進行が曲の始まりから終わりまで円環状に繰り返される構造といってよいと思います。だから、4つ割を重要視した方が有利なんです。つねに二重線は段の始めに来るようにする方が、把握しやすい。

 一方、対照的にポップス・フージョンの楽曲構造はこれほど単純ではありません。
始まりと終わりの対称性は低く、曲は一方向に進行します。従って与えられるソロスペースも不規則で、同じコード進行が繰り返しというのはむしろ少ない。
 この場合前述したような「譜面の4つ割」にそれほどナーバスになる必要はないかもしれません。