Jon Faddis


 ディジー・ガレスピーを越えた、と師匠に言わしめた彼。基本的にはハイ・ノートヒッターである。

 しかし、彼、あまりに彼の音色は耳につくのだ。

 最後に豆板醤を入れれば、豆板醤風味になってしまうように、John Faddisがサウンドに加われば、そのバンドは(元がどうあれ)「John Faddisの加わったサウンド」になってしまう。元の風合い、まるで台無し。

 唯一これに対抗しうるバンドといえば、僕が思い浮かぶのはメイナード・ファーガソンバンドくらいのものだ。だがその場合「豆板醤の豆板醤風味炒め」とでも言いたげな味わいになるので、それはそれで困ったものなのだ。(多分お子様には食べられない味付け)。


 兎角彼の音はアタック音が強すぎて、金管楽器というよりはビープ音のクラクションにでも近いような感じがする。トゲトゲしている。きっと生で聴けばものすごい迫力なのだろうが、僕にとってはCD越しでも過剰なくらいだ。

 確かにハイ・ノートは大事だ。だが、どうでもいいところで、他のトランペットと調和しないことおびただしい。混ざらない。水と油。

 いまいましいことに、CDにジョンファディスが入っているだけで、壁が薄い家ではご近所の迷惑になるからステレオの音量を下げなければならない。そうすると今度は他の楽器の音が聞こえなくなる。今まで、ジョンファディスのために、どれほど手を煩わされたことだろうか。

 まったく、いまいましいやつだぜ(笑)。


(Jan, 2004初稿)