油性マーカー


文具の話  4



今の自分:

 ところで、そういう、2005年現在の私であるが、以前はボールペンではなく、万年筆を好んで筆記具に使っていたんだけれど、(もちろん自腹ですよ、自腹)、最近はもうそういうものは使ってはいない。ボールペンもそんなには使わない。

 では、何を使っているか、というと、マジック。三菱油性マーカー細字。


 なぜかというと、実験をしているからだ。

 実験の時は試験管やチューブに記入するのに、油性マジックが必須なのです。で、白衣には赤白の油性マーカーが、しかも僕はルーズなたちなので、常に四五本ささっています。

 実際、今まで「ペンと私」ということで色々な万年筆について書いていた訳だが、正直にいって今一番使っている文具は、この油性マジックにつきる。万年筆では水濡れ環境では弱いし、プラスチックに書ける文具というのは限られるので、油性マーカー以外には選択肢がない。

 もちろん、文具として、油性マーカーはかなり完成度が低い。湿気を含むと書けなくなってしまうし、逆にキャップをはずして乾燥させすぎると書けなくなってしまう。だが、何にでも書けて、耐水性がよいというメリットは他にはないのだ。

 そのうちに油性マーカーでなくてもいい紙にまでマーカーを使うようになる。あの鈍重な書き味と、妙な黒の濃さ、筆を曲げたときにキシッという音、ツンとくる揮発性の臭いなど、慣れるとむしろ妙に味わいを感じることさえあるのだ。

 かくして、色々な万年筆をオシャレに使いこなそうという当初の目標はどこへやら、到達地点は妙なところになっていたのだった。
 
というわけで、今回の結論:

大学病院の医者で、油性マジックが胸に刺さっている医者は、きっと研究室で実験をしています。(odds ratio は7倍以上)

(Jun,2006 改稿)