Hyper-biblio-phage—過読症


—本について


 久しく本を買っていなかったので、古本屋に言って本を大量に買ってきた。

 12冊で1800円。大半は100円の黄ばんだ文庫本である。それも、あまり普段なら買わないようなものを大量に。

 僕は時折こうした本の買い方をする。

 こういう行動って、食べ物に関していうと、過食症患者がスーパーでリッターサイズのアイスクリームをまとめ買いしているようなものと大差あるまい。僕は活字亡者で、食でいうとまさに過食症である。つまり、過読症か。
 

 食の嗜好にも色々あるように、本好きにもいろいろな嗜癖がある。

たとえば、「高くておいしいものを高級な店で味わっていただく」というのは、読書では「ハードカバーのいわゆる名著を買って、二度三度きちんと読んで、理解を深める」ということになるだろうし、「とりあえず雑誌に載っている店に行って食べる」というのは「ベストセラー(セカチュー、とか)を読んで、わかった気になる」とかいう行動と大差あるまい。いろいろな嗜癖は食行動にある程度喩えることができるように思う。

 「『世界名作全集』を揃える派」は食道楽にも同様のそれを見いだすことができようし、読書における「HANAKO族(ちょっとたとえが古いが)」もいるというわけである。

 また、「B級グルメの、たとえばラーメンならラーメンばかり食べ歩いて、いっぱしの評論家になる」ようなタイプは、読書の世界に敷衍すれば、たとえば「SFの廃人級マニア」のような存在が適当ではないか。

 

 ところで、過食症では、過剰に摂取したカロリーは贅肉となるが、この過読症では、その結果、過剰に摂取した無駄な読書はどうなるのだろうか。過食症のことを考えると、碌なことにはならないような気はするのだけれど。

(2005.Aug初稿 2006.Mar改稿)