軽音の人達



—夢 その9


 また、夢をみた。

 市民会館の薄暗い中ホールみたいなところ。わずかなカビ臭さ、積もった埃に湿気がしみとおったような。それほど広くないステージにはメインのライトで照らされているようだが、ややくらく、ステージの奥の方は全く見えない。

 ステージの上に居るのは、大学のクラブ(軽音)の連中だ。ジャムセッションをしているのだ。

 周りを見渡すと、薄暗い客席のあちらこちらにはやはりクラブの先輩や後輩が座っている。まるでリハーサルをしているような感じに見える。

 グラス片手に(なぜか持っているのだ)そういう昔の友達が座っているところに出かけて挨拶をする。

 昔、部室でしていたように他愛のない話しをして、ちょっと楽器も吹いたりして。

 上手く吹けた?いやいや。
 そちらこそ。最近どう?

 みんなは順番に話をして、すべての言葉が直接僕の心に響く。普通セッションしている場所では話し声の半分も聞き取れないものだが、そこは夢なので都合がよい。みんなで楽しく話をして、皆僕に暖かくて、それがとても楽くて、夢の中で一瞬、僕は思った。僕は死んで、死後の世界に来たのかなあ。

 トロンボーンの同回生のOさんはなぜかスキンヘッドだった。しかも、剃りが荒くて虎刈りなのである。ところどころ剃り残しがあって、象の頭みたいだなあ、それもアフリカ象ではなくてインド象だなぁと思っていると目が覚めた。

 目を覚ますと、いつものベッドの上。
 もう過去になってしまったもの、何か大切なものを失ってしまったような気がして、とても淋しい気分。

多分、僕は皆に会いたいのだろう。

(Nov. 2004 初稿)