Skippyのピーナツバター:

  —パン その2



 普段は食べないのに、年に数度無性に食べたくなるような食べ物が、幾つかある。そういうの、きっと誰にでもいくつかありますよね。

 例えば、毒々しいまでにソースの載った焼きそばだとか、たこ焼きだとか。あんパンだとか。

 僕の場合、そうしたものの中に、ピーナツバターがあるのだ。

 とはいえ、そんな時のピーナツバターは、アオハタの甘いやつではない。あれはピーナツ「ジャム」である。ピーナツバターはバターなのだ。僕の中ではピーナッツバターは"SKIPPY"と決まっている。あのいかにもアメリカンなパッケージ。甘味のないハードコアなピーナッツバター。それを厚切りの食パンにたっぷりと塗りつけるのだ。

 ピーナツバターにはつぶつぶの残したチャンクと、粒まで引いてなめらかにしたクリーミーとあるが、ここはもうどうしてもチャンクでなくてはならぬ。焼き目のついたピーナッツのつぶつぶを噛む歯ごたえ、口の中でキシキシ言う感じがたまらぬのであるから。

 僕は甘いものは全般的に好きだが、実は甘いものの中で唯一チョコレートは苦手だ。また、アーモンドとかナッツなどの油分の多い木の実もあまり好きではない。つまりは脂っこいものが苦手なのであるが、あの濃厚なSkippyのバターだけはなぜか別なのである。

 但し、このピーナツバタートーストを食するにあたって、悩ましいことがいくつかある。

 焼いてから塗るか、塗ってから焼くか。塗ってからオーブントースターで焼くと、アーモンドがこんがり焼けてとても香ばしくなるが、しかし生のパンにアーモンドバターを塗るのはなかなか難しい。

 冷えているピーナツバターは扱いにくい。犬のうんこを踏んづけてしまったら、このやろこのやろとコンクリの壁に擦りつけたりして、こそげ落としたりしますね。あんな感じの雰囲気で、塗りつける必要がある。

 焼けてから塗る方が無難であるが、オーブンでピーナツバターに焼き目を付けた方が、断然よい。悩むところではある。尤も、今現在、家にはポップアップ式のトースターしかないので、これは焼けてから塗るしかない。

 また、焼く前に塗る場合、塗る際に端っこぎりぎりまで塗った方が満足感は高いが、あまり端っこ過ぎると少し傾けるとたれて手がべとべとになるので少し分別を残して塗るべきである。また、取り出すときはたれないように少し真ん中をへこませて取り出すのがよい。

 しかし、体というのは正直なもので、こうやってピーナツバターを買って一週間も食べ続けると、段々皮膚がギトギトしてきて、吹き出物さえ出来たりするのが恐ろしい。かといって、間隔を開けて食べていると独り暮らしでは到底食べきれぬのが悩ましいところだ。

 Skippy、一番小さいものがあの300-400gくらい入ったあのパックではないかと思うし、もし小さいのがあったとしても、アメリカンな感じが薄れるような気がするから、やっぱり今のサイズのを買ってしまうような気がする。


(2006,Sep改稿)