外国人


 僕は洋画の字幕もしくは吹き替えが好きだ。

 英語を日本語に訳すなんて完全にうまくいくはずがない。どうしてもちぐはぐした感じになる。しかも、吹き替えって映像とシンクロさせなければならないので、字数の制約を受けることはなはだしい。

 「土曜洋画劇場」でも書いたが、僕はあの吹き替え映画の独特のおかしみが大好きなのである。

 どんな西洋料理や民族料理もちょっと醤油をかけてしまうと微妙に日本料理のようになってしむ。吹き替えにはそういった「なんちゃって西洋料理」の様ないかがわしさがある。

 吹き替えの難しさ、それがために醸し出す面白さといったら。

その1:

 Shit!とかFuckin'!とかOh Godとかの悪態って、なんであんなんなんだろう。

ののしり言葉は、大抵「くそっ」とか「畜生」とか訳される。勿論「犯すぞ」「神よ」と直訳はしないよね。そんなのは日本ではあり得ないから。

 では、「くそったれ」はどうか。

 特に土曜洋画劇場なんかの吹き替えでは、よく使われるけども、「くそったれ」って、いうか?実生活で?使いそうで使わない。ためしに実生活で口にしてみて。意外なほど違和感があるから。

 ああ、それから「くそ野郎」ってのも時々出てくるけどちょっと違和感があるよ。


その2:俺様引用
ちょっとわかりにくいんで会話例を。
「『さらば、アドリア海の自由と放埓の日々よ』ってか?」
「…それ、バイロンかい?」
いや、俺だ。


い・わ・ね・ぇ〜

 まぁ、この台詞は『紅の豚』で、邦画なんだけどね。


その3:
たぶん、Coolとかそういう形容詞の訳なんだとおもうんだけど、
イカす」

 やばいやばい、いわないいわない。口チャックチャック。

 ちょっと昔は「ナウい」最近の吹き替えでは「イケてる」など、一応は工夫が見られるが、逆に時代性を限定されてしまうのだ。


 いっそのこと、平安時代の言葉だが、「をかし」とかに統一でもしたらどうか。