或る雪の日


—そしてひとり芝居



「雪だねぇ」

「ねぇ」

「道、凍ってるよね」

「そりゃ凍ってるさキンキンに」

「キンキン?ろば君?

   おまっとさんでした!」

「……。

  …今日の仕事もおわったねぇ」

「ハイ消えた」

「まだいってる…」

「ねぇ」

「……」

「……。」

「と・こ・ろ・で、ご飯、どうすんの?」

「え?」

「って、君、昼ご飯も食べてないやん。おなかなってるやんほらほら。
しょうもないこと言ってごまかすなや。」

「ねぇ」
「ふっふっふ。仕事も忙しかったしナァ」

「ふふふじゃないよ。道路が凍結しとって車もだされへんし傘ももってないやん。ローソンまで歩くのも寒いしや。どうすんねんな」

「……ジャーン! 実は、こういうことも考えて昨日めしを二日分買っておいたのダー!!」

「えらい!!…って、これ、独りつっこみやから知ってるけどね。昨日ローソンで『鍋にかけるだけ』の冷凍うどんを買ったのよね。それを食うわけやね。」

「そういうこと」

 
「わ〜、台所、吐く息が白いよ。ここ、ホントに室内?」

「コート着ないと死ぬなこりゃ。

 …、これをコンロにかけて、っと。これで3分ぐらい煮立てたら鍋焼きうどんよ。」

「ええの〜。今日つまらん仕事をしこしこした甲斐があったっちゅうもんやね。頑張った僕(達)へのご褒美やね」

ジジジジ

「あーーーっ!!鍋底がガスの火で破れた!!」

「コンロびちゃびちゃやし、だしこぼれてもうたやんかー」

「アルミだからなぁ。一度前にも破れたことがあったよ、そういえば。でもなぁー」

「これ、もう食べれないね。焦げてるし。」

「ほんま、めし3日分買うとけや、アホ。

 って、僕やけどね。」

「どうする」
「どうしよう」
「寒いね」
「凍えてるね」

「スコット探検隊ごっこでもする?」

「ぼく、アムンゼンの役がいいな」