痴漢のおはなし



「痴漢にあったことある?」

「2,3回ね。全部島根での話よ。東京にいた頃は大学が近くに在ったから、全然電車にも乗らなかったの。だから東京では一回も痴漢に遭ったことはないの。」

「最初はね、小学生のころなの。遅い時間に家に帰ろうと歩いてたら、そうね、たしか病院の前だったかな、前からなんだか変な人が歩いてくるの。

 

 あれ、なあにこの人
 って気持ち悪かったんだけど、すれ違ったの。そしたら後ろをついてくるの。
 う わぁ
って思った瞬間、スカートが持ち上がって、
すうぅってしたの。 すぅって。
 今にして思えばそんな小さい子のスカートをめくってなにがおもしろいのって思うけど、小学生の時は背が高い方だったからかなあ。そのときのすぅっていうのは とってもショックだった。」


「一番憶えているのは高校生の時なの。学校の前に長い坂道があるんだけど、そこを登ってたの。
現場写真

 そしたらスカートをばっとめくられたの」

「どんな人だった?」

「うーん、よくわかんない。おじさん。」

「それで、きゃっとか言えばよかったのかもしれないけども、あたしって、ほらこんなでしょ。『なにすんじゃ』って、怒鳴りつけたの。
それに、あたしらの頃は制服って長いのがはやってたのね。だから、ほとんど中は見えてなかったんだとおもうけどね。」

「年がばれるね」

「うるさいっつーの。それでおじさんは坂道を下にすたこら逃げ出したの。

 そこにね、ちょうど車がね、男の人が二人乗ってたんだけど、登ってきたんで『その人痴漢です。掴まえて下さい』って言ったら、車を降りてその人を追いかけてくれたのね。

 おじさん、もうびっくりして必死で逃げたんだけど、そこに少年野球の一団がね、ランニング中だったと思うんだけど通りかかったの。

 まぁ、みんな野球少年だから、すごく正義感の強くて(笑い)、
『大丈夫ですか?!』とかいって、みんなして
『それ!みんな捕まえろ!!』って一生懸命協力してわーって取り囲んじゃって、それこそいっしょうけんめい逃げたけど、とうとうおじさんはつかまっちゃったの。」

「それでおじさんは車の二人に連れてかれちゃったんだけど、後できいたら二人とも警察の人だったんだって。おじさん、スカートの中もみれずにつかまっちゃって、ちょっとかわいそうな気もしたけど、自業自得ね」

「でも、野球少年の一団に追いかけられるおじさんの姿は今思い出してもおかしくって。」

(2002.Apr日記)より