国家試験体験記(その5)

いよいよ、合格発表まちなのだ。
参考までに:
合格発表は4/20だった。それまでの約一ヶ月間、受験生は国家試験の予備校などへ自分の解答を送付して、全体の中の順位を大まかにつかんだり、自己採点して暗鬱な日々を送ったり、あるいはもう当分は出来ないであろう海外旅行を満喫したり(卒業旅行も兼ねて)、
家でだらだらしてみたり(これは私)、
4/20からの勤務先の近くに引っ越しをしたり(これも私)、
暇つぶしにHPなど作ってみたり(これも私)、
結婚してみたり(残念、これは僕の友達の話。)思い思いの生活をおくるのである。
TECOM(予備校)から発表された解答を参考に自己採点した結果は、
「…あらあら、案外に出来がよいのね。こりゃ模試以上だ(感想)。」
大体合格だろう、というかんじ。
勿論、予備校の解答と厚生省の解答は100%一致しないはずだ。醫事新報の解答とは1割弱も相違点があるらしいので、その場合また随分得点は異なったものになるはずである。
ちなみに、私の得点はTECOMの解答速報にて、
A: 67/80 B: 88/100 C: 20/20 D: 46/50 E: 38/40 F: 42/50
といった感じでした。医事新報の解答ではもう少し得点率は低いはず。
 さて、客観的にみると多分合格な私の成績だが、合格だぁ!という気にはなれない。
例えば誰かに面と向かって
「お前は医師としての資格があるんだな?」と問われると、
応という自信がないのである。

「他人との戦い」、つまり相対評価では国試合格と考えて間違いないかもしれない。
しかし、国試の勉強をしてきた1年間は「己との戦い」であったはずである。
そういう視点で見ると、失敗は多かった。

自分の実力で解けるはずの問題を解き損じると、たとえ正答率が悪くても、自分の記憶には痛恨として残る。

そういう問題が数題ある。自分にとっては例えばF-23などがよい例だ。
まったく、自分が不完全な人間であることを思い知らされる。

江川卓は昔、
「すべてのバッターを初球でピッチャーフライにしとめる、

   それが自分にとっての理想の野球だ」
と語ったことがあるらしい(未確認)。

おそらく、どんなに成績が良くても不満は残るものなのだろう。
「国家試験満点」も同様に見果てぬ(そして無駄な)理想であるのかも知れない。
まぁ、試験を受ける前は「己との戦い」、試験が終わってからは「他人との戦い」と 気持を切り替えるのが最も精神的な安定を得ることが出来ると思う。

それから、合格発表までの1ヶ月間はもっと積極的にいろんな事をしておけば良かったな、と医者になった今は思います。この、ものぐさな私でさえ。

医者になったらこんなに自分の時間がないとは、うすうす感づいていましたが予想以上でした。

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