医者と靴 2


医者の風景学

—mono mono シリーズ


 その2

 以前書いたように、基本的には私は革靴派だ。
 正確に言えば「だった」と過去形にするべきなのだろう。私の中に微妙な変化が起きている。
 


 きっかけは数ヶ月前のことだ。
 私はちょっと太ってはダイエットを決心するというまるで女子のような性癖があるのだが、それは今から数サイクル前の肥満→ダイエット決心の時であった。

 「今度はジョギングだ!」とりあえずそういうことにしてスニーカーを買ったのだった。

 結局ジョギングは形ばかり1,2度しただけで、スニーカーだけが手元に残った。


画像は楽天市場から入手しました。

 買ったのは右図にあるような今どきのスニーカーで、紐ではなくゴムで足をホールドするようになっている。このゴムの色味にはやや思うところもある。革靴派の私は革靴に合うようなパンツしかもっていないし、どうもこの金色のストライプが浮いてしようがないように思うのだ。このカラーリングは私のドレスコードには無い。

 まぁ、そんな経緯で履き始めたのである。デザインに関してはそういう風に違和感があったのだが、今まで革靴ばかり履いていた身にとっては格段の履き心地なのであった。

 足のホールド感はばっちり、かつ接地感も非常にソフトである。ゴムによって得られる圧力が心地よい。猫や犬の足裏に付いている「肉球」が自分の足についていたら、こんな感触なのかもしれない。そう思えるような気分である。

 まともにスニーカーを履いたのは高校生以来、実に10年ぶりくらいだったわけだが、スニーカーというのはここまで進化していたものなのか。ハイテクスニーカーのハイテクぶりをしっかり堪能している。

 気がつくと病院ではほぼ100%この靴を履いているようになった。この前書いたことと全く違う事態に苦笑を禁じ得ないが、夜でも足音がほとんどしないし、長時間の立ち仕事でも足が疲れないというのはやはり素晴らしいことだ。


 だが、ここの職員にとっては以前の僕を知らないわけで、僕は「変なスニーカーの先生」ということになっているらしいのがおかしい。このスニーカー、目立つし。


 大学に戻ってからもとにかくラクなので好んで履いている。

 ケーシー、ユニクロ、この靴。三点セット。


 しかし、この靴をはいていても、検査の時に血が付いたり、あまつさえ、ウンコまでついちゃったりやっぱりしちゃうのである。


 だが、丸洗い出来るのでウンコや血を浴びても全然平気。

 どんとこーい!!


(May 2003.初稿)