胃癌




Borrmann分類



1. 限局性で孤立し、ポリープ様の癌
2. 土手状の辺縁とはっきりした境界を有する潰瘍化した癌
3. 一部では土手状の境界を有し、一部ではdiffuseに広がる潰瘍化した癌
4. diffuseの癌

本邦での胃癌取り扱い規約においてもこれに準じ進行がんを1-4型に分類し、分類できないものを5型としている。


胃癌取り扱い規約



目次
T. 記載法の原則
U. 所見の記載法
V. 外科的治療
W. 薬物・放射線治療
X. 組織所見の記載法
Y. 治療成績
Z. 胃癌のTNM分類


T. 記載法の原則

 進行度は,P(腹膜播種性転移),H(肝転移),T(胃壁深達度),N(リンパ節転移)およびM(遠隔転移)で決定される。所見の種類を示すT, N, H, P, M は全て大文字で表記し,各大文字の前に小文字で診断方法 c (clinical findings), s (surgical findings), p (pathological findings), f (final findings)のいずれかを記入し,大文字の後に進行程度をアラビア数字で記入し,不明の場合はXを記入する。肉眼分類,切除断端 (PM,DM),病期も同様に,診断方法の前に,小文字でc,s,p,f のいずれかを記入する。ただし,final findingsでは所見の種類を示す小文字(f)を省略することが出来る。

注1)従来のOW,AW はPM,DM に変更
注2)記載例: pT3, pN2,sP0,sH0
表1. 記載法の原則
臨床所見
clinical findings
手術所見
surgical findings
病理所見
pathological findings
総合所見
final findings
視触診
理学的所見
X線・内視鏡診断
腹腔鏡検査
画像診断
生検・細胞診
生化学的・生物学的検査
遺伝子学的検査
その他
開腹・腹腔鏡下手術の
術中所見
術中画像診断
細胞診
迅速組織診
内視鏡切除
腹腔鏡下手術
開腹手術
組織の病理所見  
臨床所見
 +
手術所見
 +
病理所見

を総合したその時点における最終診断
注)腹腔鏡検査の所見は,臨床所見であるが,腹腔鏡下に切除を行う場合は,手術所見とする。
 

II. 所見の記載法


1. 原発巣の記載
 1) 占居部位
   (1) 胃の3領域区分(図1)
胃の大彎および小彎を3等分し,それぞれその対応点を結んで胃をU(上部),M(中部),L(下部)3つの領域に分ける。 E(食道)またはD(十二指腸)への浸潤も記載する。隣接する2領域以上にまたがっている場合は,主な領域を先に書き,その次に浸潤の及んでいる領域を書き加える。(例 LD, UML )
   (2) 胃壁の断面区分(図2)
小彎,大彎,前壁,後壁および全周を区分し,これらを小(Less),大(Gre),前(Ant),後(Post),周(Circ)で表す。

   (3) 残胃の癌

次の3項目を,ハイフンでつないで表現する.
  1. 初回胃切除の病変: B.良性病変,M.悪性病変,X.不明
  2. 初回胃切除から残胃の癌までの期間:年数,X.不明
  3. 残胃の癌の存在部位:A.断端吻合部,S.断端縫合部,O.非断端部, T.残胃全体

 2) 数と大きさ
原発巣の数および各病巣の最大径とそれに直交する最大径を記載する。

 3) 肉眼分類
0型 表在型 T型 隆起型
U型 表面型
Ua 表面隆起型
Ub 表面平坦型
Uc 表面陥凹型
V型 陥凹型
1型 腫瘤型
2型 潰瘍限局型
3型 潰瘍浸潤型
4型 びまん浸潤型
5型 分類不能
注)複合型の早期胃癌は,より広い病変から順に「+」記号でつないで記載する(例 IIc+V)


 4) 胃壁の深達度(表2)
T1a癌の浸潤が粘膜(M)にとどまるもの 
T1b粘膜下組織(SM)にとどまるもの 
T2癌の浸潤が粘膜下組織を越えているが,固有筋層(MP)
または漿膜下組織(SS)にとどまるもの 
T3癌の浸潤が漿膜下組織を越えて漿膜に接しているか,
またはこれを破って遊離腹腔に露出しているもの(SE)
T4癌の浸潤が直接他臓器まで及ぶもの(SI)
Tx癌の浸潤の深さが不明なもの

2.転移の記載

 1) 郭清の対象となるリンパ節転移(図5〜10)
 図5〜10のように胃に関連のあるリンパ節の番号・名称・境界と占居部位別の群分類を定める。なお,第1,2,3群以外のリンパ節転移はM1とする。
N0リンパ節転移を認めない
N1第1群リンパ節のみに転移を認める
N2第2群リンパ節まで転移を認める
N3第3群リンパ節まで転移を認める
NXリンパ節転移の程度が不明である

 2) 腹膜播種性転移
P0播種性転移を認めない
P1播種性転移を認める
PX播種性転移の有無が不明である

 3) 腹腔細胞診
CY0腹腔細胞診で癌細胞を認めない
CY1腹腔細胞診で癌細胞を認める
CYX腹腔細胞診を行っていない

 4) 肝転移
H0肝転移をまったく認めない
H1肝転移を転移を認める
HX肝転移の有無が不明である

 5) 遠隔転移
M0腹膜播種性転移および肝転移以外の遠隔転移を認めない
M1腹膜播種性転移および肝転移以外の遠隔転移を認める
MX遠隔転移の有無が不明である

3. 組織型分類


1) 一般型 Common Type

 乳頭腺癌Papillary adenocarcinoma(pap)
 管状腺癌Tubular adenocarcinoma(tub)
  高分化型well differentiated type(tub1)
  中分化型moderately differentiated type(tub2)
 低分化腺癌Poorly differentiated adenocarcinoma(por)
  充実型solid type(por1)
  非充実型non-solid type(por2)
 印環細胞癌Signet-ring cell carcinoma(sig)
 粘液癌Mucinous adenocarcinoma(muc)

2) 特殊型 Special Type
 腺扁平上皮癌Adenosquamous carcinoma
 扁平上皮癌Squamous cell carcinoma



(2001/5)