非定型抗酸菌





非定型抗酸菌症の診断基準

(非定型抗酸菌症研究協議会, 1976)

  1. 非定型抗酸菌と関連すると思われる病像または症状が認められ、その排菌が頻回かつ多量である場合
  2. 非定型抗酸菌を病巣より分離し、その菌に由来すると思われる病理組織学的変化が存在する。
以上の1または2を満足すれば非定型抗酸菌症とする。

注1)「非定型抗酸菌と関連すると思われる病像または症状が認められる」とは疾患の発病初期または悪化時に排菌があり、病勢が軽快するに従って排菌が消失する場合、病像または症状が継続し、排菌がそれに平行して認められる場合などをいう。

注2)「非定型抗酸菌が頻回かつ多量である」とは、M.intracellulare, M.scrofulaceumの場合は4回以上、うち1回は100コロニー以上とする。M.kansasiiの場合は二回以上の排菌があれば菌量を問わない。なお排菌時期の間隔は重要であるが、現在の所間隔の長短は問わない。M.gordonae, M.chelonaeなど通常人に起病性のないとされる菌種の場合における頻回かつ大量の内容は未だ決定に至らないが、M.intracellulareの場合より厳しくする必要があり、非定型抗酸菌症とするためには各方面の所見を勘案して慎重でなければならない。

注3)ヒト型結核菌の同時排菌がある場合は、非定型抗酸菌症と診断するには慎重でなければならない。



非定型抗酸菌症(肺感染症)の診断基準

(国立療養所非定型抗酸菌症共同研究班, 1985)

  1. X線で新たに空洞を含む病巣または乾酪性病変と思われる病巣が出現した場合

    (a)一ヶ月以内に3日間の喀痰培養検査を行って、同一菌種の病原性抗酸菌を二回以上証明する。または(b)毎月一回の培養検査で3ヶ月以内に2回以上同一菌種の病原性抗酸菌を証明する。

     X線像での新しい病巣(空洞または乾酪性病変と思われる病巣)の出現と、上記の(a)(b)の排菌が同時に観察できた場合は感染症と考える。排菌の量(分離培地上の集落数)は100集落以下でもよい。

  2. すでに硬化巣中空洞または硬化壁空洞、または排菌源と考えられる気管支拡張症など既存の病巣のある場合

     6ヶ月以内に月一回の月例喀痰培養検査で3回以上同一菌種の病原性抗酸菌を証明する。なお上記3回以上の排菌の中で少なくとも1回以上は100集落以上の排菌であることを示す必要がある。また上記の排菌は臨床症状の変化(X線像の変化、発熱、喀血・血痰、咳嗽、喀痰の増加)などと関連すること。
病原性抗酸菌とは、M.kansasii, M.szulgai, M.scrofulaceum, M.avium complex, M.fortuitum, M. chelonaeをいう。このほかに次の抗酸菌も病原菌となりうる。 M.xenopi, M.shimoidei, M. nonchromogenicum

非定型抗酸菌症研究協議会, 1976:簡単なので広く使われているが、4回以上というのはやや厳格すぎる、あるいは排菌間隔の長短を問わない点が問題視される。

国立療養所非定型抗酸菌症共同研究班, 1985:やや煩雑だが、より軽症例も拾い上げる事が出来る。
ATS(アメリカ胸部疾患学会)が提唱する診断基準(1997)

update(2002/1)